たまたま図書館で、シェル・シルヴァスタインの絵本の村上春樹さん訳の『はぐれくん、おおきなマルにであう』(あすなろ書房、2019年)を見つけました。これまで読んできたのは、倉橋由美子さん訳の『ビッグ・オーとの出会い――続ぼくを探しに』ですね。『ぼくを探しに』(講談社、1977年)の方は村上さん訳は見つけられませんでした。
いずれも本当に素敵な作品です。抽象的な絵ですので、そのときの自分によって、感じ方が異なります。
自分に合った「マル」を探そうとする「はぐれくん」。これは、自分に合った友達、恋人、学校、先生、仕事等々を探しているのと重なってみえます。
自分に合ったマルを「はぐれくん」も見つけました。でも「はぐれくん」が大きくなって、合わなくなってしまいます。
そのときにであった「おおきなマル」は、自分で回ることを教えてくれます。はじめはぎこちなくても、だんだんに角が取れて、回っていきます。
自分で回っていくこと。「個」が大切だということ。村上春樹さんのあとがきを読んで改めて思いました。そういえば、村上春樹さんの「壁と卵」(エルサレム賞受賞スピーチ)もそうですよね。
まずは、自分が独立した個として立つこと。そして、そういう個であれば、「なかま」になれると思うのです。