
若者の読書離れは本当か?『「若者の読書離れ」というウソ』を読んで
先日、若者の読書離れに関するショッキングな記事を目にしたことをきっかけに、若者の読書事情を掘り下げた一冊の本を手に取りました。 飯田一史さんの著書『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社、2023年)です。
本書で紹介されている客観的なデータを見ると、驚くべき事実が浮かび上がってきます。それは、「世間で言われているほど、若者の読書離れは進んでいない」ということです。実際に読んでいる「冊数」や、まったく本を読まない「不読率」の推移を見ても、過去と比べてそこまで大きな変化はないというのです。
変わったのは「読む量」ではなく「読まれる本の中身」
では、何が以前と違うのでしょうか。強く印象に残ったのは、「読まれている本の種類(ジャンル)が変化している」という点です。
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児童書の対象年齢の変化: かつては小学生がメインで読んでいた児童書を、今は中学生くらいまでが読むようになっている。
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ライトノベルの読者層の高年齢化: 中高生が読んでいると思われがちな「ライトノベル(ラノベ)」は、実は中高年層の読み物へと移行しつつある。
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名作文学の衰退: 昔ながらの名作児童文学やヤングアダルト(YA)文学は、現在ではほとんど読まれなくなっている。
当然のことながら、読書は「活字を追えばいい」というものではなく、その内容抜きには語れません。そういった意味で、岩波少年文庫のような良書や、優れたヤングアダルト文学が若者の間で話題に上らなくなっている現状には、一抹の寂しさを覚えます。
しかし、まずは「本を読む習慣を持つこと」が第一歩であるのも事実です。
実際に「なろう系」ラノベを読んで気づいたこと
若者が今、どんな物語に惹かれているのかを知るため、ラノベが好きな高校生におすすめを紹介してもらい、いわゆる「なろう系」のライトノベルを何冊か読んでみました。
いざ探してみると、地元の図書館で入手するのすら少し難しかったのですが、実際にページをめくってみて腑に落ちました。
「なるほど、今の彼(女)らはこういう世界観やカタルシスを求めているのか」
データやニュースを眺めているだけでは分からない、今の若者たちのリアルな感性に触れることができ、私自身にとって非常に勉強になる読書体験となりました。時代とともに本のかたちは変われど、物語を楽しむ心はしっかりと受け継がれているのかもしれません。